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大栄窯業が生み出す“銀古美”の魅力を現地で学んだのでご紹介します|横浜市鶴見区 屋根の修理専門店(株)成田屋商店

2025.10.31

皆さま、こんにちは。

横浜市鶴見区 屋根の修理の専門店()成田屋商店、スタッフの川崎です。

先日、大栄窯業株式会社様を訪問し、“銀古美”という瓦についてお話を伺いました。

実際に見て触れてみると、モダンな美しさと強い耐久性を兼ね備えた新しい瓦でした。

コロニアルやガルバリウム鋼板が主流となっている今の時代においても、瓦こそが最もサステナブルな建材であり、SDGsの理念にも通じる素材であることに気づかされました。

この記事では、銀古美の魅力やいぶし瓦との違いについて、大栄窯業様から学んだことをもとに解説したいと思います。

淡路瓦の現状と背景

石州瓦、三州瓦とともに三大瓦として知られている「淡路瓦」は、400年の歴史があり優れた耐久性や機能性から住宅にもよく使われています。

淡路瓦の出荷数は、1992年には 245,196枚 あったのに対し、2024年には 8,388枚 まで減少しています。その割合は、約97%減少という深刻な数字です。

減少の背景には、1995年の阪神淡路大震災で映し出された「瓦屋根が崩れる映像」により、「瓦は地震に弱い」という誤ったイメージが広まってしまったことが挙げられます。

しかし実際には、瓦そのものに問題があるわけではなく、当時の「葺き方」や「建物自体の耐震性」に原因があったとされています。

瓦ガイドライン工法とは

従来の工法では、瓦を土で固めるだけで建物の構造体に固定していませんでした。
そのため、時間が経つと劣化で瓦がずれたり歪んだりし、大きな地震や台風の際に落下することがありました。

しかし令和4年1月1日から、瓦の固定方法に関する基準が改正されました。
これは「建築基準法の告示基準(昭和46年建設省告示第109号)」が改正されたためで、新築やリフォームの際には瓦屋根に強風対策を講じることが義務づけられています。

いまでは「ガイドライン工法」と呼ばれる耐震施工法が標準となり、瓦を銅線やくぎでしっかり固定します。
この方法では、落下や倒壊の心配なく震度7クラスの地震や大型台風にも耐えられることが確認されており、従来の弱点を大きく改善しています。

ガイドライン工法による瓦の改修工事例はこちら

伝統的な瓦は、正しい工法で施工すれば非常に強く、ちゃんと長持ちする建材です。

銀古美とは?

銀古美は、淡路島の老舗瓦メーカー「大栄窯業」が生み出したモダンな淡路瓦です。

その名の通り「銀色の古美」を意味し、年月を重ねるほどに深みが増す“経年美”が最大の魅力です。

原料には、200万年前の地層から採掘された淡路島の粘土を使用しています。

瓦の原料となる土の採掘場↓

この土を水を加えて練って成型し、職人が“炎”で丁寧に焼き締めると、表面から芯まで同じ色合いと質感をもつ堅牢な瓦に仕上がります。
そのため、将来的な色あせや剥がれがほとんどなく、自然なエイジングを楽しめるのが特徴です。

↓80年前の瓦

一枚一枚色合いが違い、味が出ています。

銀古美は、ただの建材ではなく、日本の風景と調和する美意識の象徴。
晴れの日は冴えた銀色に、雨の日は艶やかな黒に、西陽に染まる夕景では温かい輝きを放ちます。

四季の移ろいとともに表情を変え、建物とともに風景を育てていく、まさにSDGsの理念にも通じるサステナブルな素材です。
住宅はもちろん、文化財や古民家の再生、店舗空間の設計にもふさわしい、“本物”の存在感を放つ瓦です。

銀古美は、約20時間かけて「単窯(たんがま)」で焼成されます。

↓単窯(たんがま)

銀古美は、還元という工程を経ることで、上品で柔らかな銀色が生まれ、経年によって“剥がれる”のではなく“深まる”美しさがあります。

↓瓦を焼く前(奥)、焼いた後(手前)

銀古美 木瓦

「銀古美 木瓦(-kigawara-)」は、伝統的な木羽葺きの風合いを、焼き物の瓦で再現した新しい屋根材です。

細長く薄い板状の瓦を重ねることで、さざなみのような柔らかな陰影を生み出し、光の角度によって豊かな表情を見せます。
中世から社寺建築などに使われてきた柿葺きや木賊葺きの上品な風格を、銀古美ならではの「寂び感」と高い耐久性で実現

伝統とモダンが融合したその上質な質感は、日本の風景に自然に溶け込みながらも、唯一無二の存在感を放ちます。

銀古美といぶし瓦の違い

種類 特徴 焼成方法
銀古美 経年変化で深みが出る、モダンで落ち着いた銀色 焼いた後に“還元させる” 
いぶし瓦 焼きたては輝くような銀色だが、年数が経つと剥がれやすく、手跡も残りやすい 焼いた後に“いぶす”

建築家から注目を集める「銀古美」の可能性

いま、銀古美は有名な建築家やデザイナーの間で注目を集め、注文が殺到しているそうです。
現在では入手が難しいほど人気が高く、それだけ価値と美しさ、そして独自の魅力が評価されています。

横浜市内ではまだ施工例が少ないものの、これからさらに注目されていくことは間違いありません。
“屋根から建築をデザインする”という視点で、次の住まいづくりに銀古美を取り入れてみるのもおすすめです。

まとめ

実際に大栄窯業さんで見た銀古美は、淡路瓦の伝統的さもありながら、現代建築に寄り添うモダンで美しい瓦でした。

誤ったイメージで衰退してしまった“瓦文化”を、再び未来へつなぐ存在。
美しさや強さ、サステナビリティを兼ね備えた銀古美は、日本の屋根に新しい価値をもたらすことでしょう。


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横浜市、川崎市密着の屋根の修理の専門店(株)成田屋商店では、ただいまご相談・診断・お見積りの提出まで無料で承っております。

皆様のご来店・お問合せを心よりお待ちしております。

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この記事の監修者

記事監修者 成田 健

かわらぶき技能士/瓦屋根工事技士/瓦屋根診断技士/一般建築物石綿含有建材調査者

代表取締役 成田 健

横浜市地域密着の屋根・外壁リフォーム専門店として、横浜市、川崎市にお住まいの皆様に向けて有益な情報を発信しています。お客様の疑問に答え、分かりやすい情報提供を心がけています。

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